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右肩上がりのサプライサイド経済を前提に用意された関係各種の膨大な法体系から始まり、まちつくりという市民の心理的或いは技術的背景の凡てに亘って、大きな変革を必要としている「まちつくり事業」に、的確に応えられる組織的体系は、構築すべきその思想を失っているだけに、決して容易な展開を期待することはできません。首都圏を除いてこの傾向は厳しく深く権利者たちの心を沈み込ませているのが実態と言えるように思います。 このような時期に当たり、昨年12月21日に発表された「自由民主党政務調査会、中心市街地活性化調査会、まちつくり3法見直しワーキング・チーム」による『まちつくり三法見直しに関する最終とりまとめ(PDFファイル)』報告書は、そして次の国会に審議されそうな状況は、これらの方々に大きな勇気と力を与えるように思われます。 特にまちつくりに関する基本理念と責任体制の明確化について始めて論及されていること、商業という側面からの活性化事業の枠組みから脱出して、市民の生活空間の整備であること等(更に言えば、中心市街地という地域コミュニティが、将来における高度な創造空間という内的な生産基地をも担うことに繋がることを考えれば)心躍る大いなる変化の可能性を与えるものとして大きな期待を寄せることが可能になるのであります。 また問題の広域性を配慮して組織的判断が加えられ新たに広域ゾーニングに具体的な道を開くこと、拡散型生活圏ではなく、自己組織化を可能とする規模の地域コミュニティを強く意識したスモールゾーニング等、大きな間接的効果が期待できる政策が見受けられ、一刻も早い実現が望まれるのは当然であります。 しかし一方では、再開発事業やまちつくり事業の現場からは、この事業を取り巻く幾つかのステークホルダー(関係者達)たちの心が組織的に一体となって働くためには,何かもう一つ足りないものがあるように感じています。それは、たいへんに困難で解決が難しい問題に直面したときの人間の心の問題です。 危機的で対策が困難な状況に置かれた人間の心の働きには、数年を必要とするような心理的に必要な反芻の期間とも言えそうな心の循環サイクルがあります。従って人間の営む社会現象にも様々な因果関係を持って循環してゆく隠された地味な活動があります。 その機会は以下の条件や段階から導かれるように思います。 @ 合目的的に与件を活用できる可能性をもつこと →事業システム的、リーシング情報的、序動資金的な成立の客観的な可能性 A 気持ちの萎えから脱出すること →厳しい与件の影響による成立案と無策への長期的、心理的緩衝策の模索 B 成功へ脱出する道筋を納得できること →差別化による成立基盤の事業化フレームに関する理解から、出来るという確信へ C 集団的意識改革の起動子と自らの内なるエネルギーが充満すること →再生地域内における社会弱者対策への集団的合意と集団的エネルギーの充足 D 踏み切り要件が整うこと →多様な価値観を有する関係者の集団的な意識改革の可能性へ踏み切り要件 供給型経済であった時代の法制度によって行われてきた「まちつくり事業の中核性」は、発生トリップの最も大きな商業機能の配置状況によって、時間的にもネットワーク的にも交通機能や体系の配置が十二分に判断できる状態でありました。従って交通体系の適正化にも大きな成果を上げて来ましたが、中心市街地が新しい商業的に生まれた偏りから出て、市民の生活空間へ移行し更に大きな意識改革を伴う創造的空間へ展開するにつれて、市民意識の段階的な上昇が極めて重要になってくるものと思われます。 まちに住み、まちという生活空間の中で創造的生活を営む市民たちが、憩い新たなるエネルギーの集積を計りながら、創造生活に噴出させるまちつくりが、どのようなものか、共に学び共に模索しともに試行しながら、自己組織化する素養を高め真の民主的決定に繋がる要件は何か、我々まちつくりに貢献したいと思うものの前には、山積する課題が存在しています。 人間として生きる市民の英知とともに、これを一つ一つ受け止めて一つ一つ解決してゆく体制つくりこそが、まちつくりに与えられた正しい道であり、成果するところは勿論ですが、この行程の適切な開発と展開こそが、我々に与えられた重要な仕事のように、しきりと思う新年であります。 本年も、なにとぞよろしくお願い申し上げます。 |
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