”まちつくり”の公平感とグローバリズム






 
  はじめに.

多くのまちつくり事業では、大規模な施行地区に多数の関係権利者が存在したり、借地借家権が指摘時系列的に錯綜して事実関係の認定さえも困難となったり、従前権利が複雑課題となってしまい従後計画の方針さえも決定できずに着手未了の状態に追い込まれている事例をよく観察します。

また権利変換方針とか換地方針とかいうように、所有権者相互の利害関係を調整する上では、評価額そのものよりも権利者相互の公平感とか社会的正義などと言われることが、重く取り上げられ、対応を間違えて意外に発展した問題になって慌てることがよくあります。

まちつくりという以上、現代市民の求める都市環境のあるべき思想が語られ、解析され、様々なデザインが繰り返され、そして哲学的、技術的な領域として語られることは多くても、社会的正義の何たるかについて物語られることはあまりありません。

しかし、まちつくりが市民自らのものになってくるに従ってまちつくりにおける公平感は正に起死回生の重大な問題になるべきですし、事実どこの地域でも自主性の大きさと比例してその様なことが課題になっています。

社会的正義とか公平感というものの形成には社会的習慣等が多く関わってくる(後述)以上、その社会が存在する経済的社会とか業界相互の関係とかによって形成される公平感も様々に変化することになります。

これと同様に地域コミュニティにおける秩序の形成と国家間の国際的秩序の形成とは、依って立つ社会の習慣そのものが異なりますから、やむを得ぬこととはいえ両者は従属関係にあり、秩序や公平感としては二重構造にならざるを得ないのかも知れません。

これからの都市社会が徐々に成熟の度を加え、市民の自己組織的な地域コミュニティ活動が高まりを見せて来るに従って徐々に重要になってくるものと思われます。この辺りの問題も大変難しい話しになりますが、今回は、地域コミュニティの形成、即ちまちつくりの立場からみた社会的公平感のあり方、同じく時空間秩序のあり方について、少し考察してみたいと思います。


   <目次>

はじめに.

【1】歴史的にみる社会的正義と秩序の形成

【2】有限の地球、意識段階そして国際社会とコミュニティのもつ課題

【3】社会的な再生秩序のための道筋

【4】砂漠と森林の思考世界―まちつくりの思考態度

【5】都市再生における新社会秩序の方向

 
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