| 「まちは元気を取り戻せるか」 |
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| 2.まちの再生はできるのか バブル経済崩壊後の10年間の後遺症は、経済の停滞はもとより活力を失った多くの都市の中心市街地における空洞化が急速に進み深刻な社会問題となっています。都市機能の低下に歯止めをかけるのためには抜本的な構造改革が必要です。 これまでの都市の再生は「都市再開発法」「土地区画整理法」に基く事業が主流で大きな成果を収めてきました。 「都市再開発法」による第1種市街地再開発事業では権利変換により権利者は従前の権利の有効活用により将来の生活設計が確立できました。保留床の売却益による資金により権利床とあわせて完成したビルには、百貨店やスーパーを始めとする大型の商業施設や住宅、公共公益施設などが設けられ各地で都市の賑わいと再生を果たすことができました。 また、「土地区画整理法」は一部の土地を供出(減歩)することにより道路や公園を生み出し、土地の一部(保留地)を売却して事業費を捻出します。既存の土地の権利は整備された土地に置き換え(換地)られます。減歩により面積が減少しますが土地の整備により利用価値が高まり資産価値は上昇することになります。 この事業により市街地の戦災復興やニュータウンなど新しい市街地と良好な住宅地、更に防災都市づくりや都市機能の整備が数多く実現しました。 しかしながらバブル崩壊後、これまでの「右肩上がり」の経済が行き詰まり地価の値下がりによる評価額の落込みや不況による保留床の売却や大型店の出店誘致等のメドが立たないなど、計画の見直しや白紙撤回など苦しい状況が続いています。 更に不況の影響で百貨店や大型スーパーのなかで売上不振から経営危機を招いている企業があります。完成した再開発ビルにおいても経営破綻から倒産した百貨店の撤退や経営危機に落ち入った大型スーパーの賃料引き下げ、閉鎖など深刻な問題が発生している地区があります。 再開発ビルの管理・運営業務については第三セクター(国または地方公共団体と民間の共同出資による企業体) が携わる例が多くありますが、核店舗である大型店の動向により第三セクターの経営が危機に瀕する事態が生じています。 更に権利変換を受けた権利者の生活設計にも破綻の恐れを来たしている例が見受けられます。 これらの深刻な事態について関係当局では各種の検討がなされ提言や法制化が進められています。主なものを取り上げますと、まずPFI推進事業です。この事業は財政難の公共主体に替って民間の複数企業によるコンソーシアムを設立し公共セクターとPFI契約を締結の上、民間主導で公共施設を建設し、質の良いサービスと合理的な運営・管理を提供するという開発手法です。(99年PFI推進法成立) また、特定の資産を証券発行主体に移し、資産を担保に証券の発行により資金調達を行う特定目的会社(SPC)の設立に関する法律が98年9月に制定されました。 これからの都市再開発事業において新たなる資金調達方式として不動産の証券化の導入が顕著となるでしょう。 一方、国土交通省は土地や建物の価格を算定する際の基準を見直して来年度には新基準を導入するとしています。現在は土地の評価が中心ですが、新基準では商業用不動産などを対象に土地と建物を一体とみなし賃料等の収益を評価する方式とします。これにより不動産の収益性が明確になり不動産市場の活性化に役立つことになるでしょう。 2001年6月、政府の都市再生本部(本部長:小泉純一郎)は、東京など大都市圏で推進する都市再生プロジェクトの第1次案として、 (1)「東京湾臨海部での広域防災拠点の整備」 (2)「ごみゼロ型都市への再構築」 (3)「中央官庁施設のPFIによる整備」 以上の3大事業が決定しました。 更にこの3大事業と合わせ首都圏の都市再開発や環状道路整備事業などを「プロジェクト選定の対象となりうるテーマ」として例示しました。 @ 活力ある都市活動の確保…<大都市圏の環状道路整備> A 災害に強い都市構造の形成…<老朽住宅の建て替え> B 持続発展可能な社会の構築…<生態系や緑の回復> C 誰でも能力を発揮できる快適な都市生活の実現…<都心住宅の供給> D 国際競争力のある世界都市の実現…<成田空港へのアクセスの整備> E 民間主導による事業展開…<国有地と公有地の活用> このプロジェクトは来年度にも着手する方向で2002年度の予算編成において調整を進める方針です。ただし、こうした「大都市重視」の動きに地方自治体が反発を強めるのは必至と思われます。そこで都市再生本部は基本方針に「地方都市については市街地の中心部の再生、鉄道による市街地分断の緩和・解消などの課題に的を絞って再生に取り組む」ことを盛り込み地方に配慮しました。 |
<目次> 1.小泉内閣の誕生 2.まちの再生はできるのか 3.まちつくり三法の制定 4.まちつくりと公共事業 5.まちつくりとNPO |
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