適者生存 あなた自身のまちつくり!

「公と私」の世界 おおやけの新しい役割




 
  4.公共性の特徴的特性とその行為

ここで改めて現代における公共性を問い直すため、公共性とは何かについて公共のもつ特徴的特性とその行為との両角度から解析を加えてみたいと思います。

図表1「公共性とは何か」 (図表をクリックすると拡大されます)


ここで公共機能の特性という軸性、たとえば所管される地域住民すなわち自治体市民の社会的関心事の共通性、市民参画のための情報公開性など公共機能の特徴的な特性に対して、公共的行為として実施されるべき仕事や今の課題を考察しようとしたものです。 図表1に示す「公共性とは何か」における特徴的特性として9つの縦軸をおき、公共と市民が行うべき行為を8つの角度から横軸としてあげてみたものです。ここでは各軸性の交差点だけに両軸からくる現状の課題等を表示してみることとします。公共の特徴的特性には古くから発達した都市社会における価値観によって構成されたと見られる特性と、今では見失われたそして今でも新しい価値観に属する公共の父母性や人間自らの主体的な価値感を導入しています。人間が「何処から来て何処へゆくのか」という永遠の課題は、私たちの奥底に今も確実に眠っていると思うからです。このマトリクス表の埋められていない空間を熟慮しながら自ら埋めてみるのも意味があることのように思います。

人が物事に興味を持ち、関心が生まれて物事を観察するようになり理解して納得したうえで物事を評価します。しかし、その人それぞれによって同じ事象に対しても興味の持ち方が違うのは当然です。まちつくり事業などにおいて発生する問題に対して人々が理解する度合いを認識度として調査しますと、下の<図表2正規分布する認識度>のように正規分布をします。正規分布の右側にある5%程度の人は高認識によって課題に対する正確な理解を進めますが、左側の5%方々はこの課題に対し物的内的な課題を持っており、状況の変化によってその課題が拡大する可能性を持っています。その不安を拡大する原因を適正に把握することによって始めて自治体という共同体集団として相互依存の必要性を認知できるようになりますが、公共は必要性への対応並びに理解、認知度の拡大と現状改革とのパラドックスの中に何時もあるという状況を説明しています。

図表2 正規分布する認識度


そしてまた集団となる過程を観察しますと<図表3 認識向上の段階的上昇>に示すように集団全体の認識が徐々に向上して一定水準を確保した後、集団の認識は次のステップに向けて段階的な上昇をしていきます。左側の方々に改革による不具合が生じると不安の波動を放射するようになりますが、この不安は徐々に拡大し恐怖に近い感情をつくり出します。この恐怖は社会に中に伝播してパニックのような状態を起こします。一種の恐慌状態です。公共の役割に経済に関することが入ったときからこの様な問題にたいする対処手法が問われるようになったものと思われます。パニックを起こす不安心理は複数以上の恐怖要因が重なったときで、この大きさと数が恐怖要因を伝播させ伝染されます。

図表3 認識向上の階段的上昇


集団の右側にいるオピニオンリーダーは、最新情報をもとに、関心を持ち状況を自分の目で観察確認して理解し、そこで生まれているコミュニケーション・ネットワークを通じて伝達し、社会集団は状況によっては自己組織化してやや自律的な活動を発生するようになります。

ここで、先述した「欲望と感情の解放の時代」が集団となろうとしている社会にさまざまな影響を及ぼすことになります。

解放された欲望と感情はとどまることなく拡大し、社会集団としては混沌状態を現出し、自己中心や利己主義が横行し、集団はその連鎖によって崩壊し地域社会は社会正義を見失い、地域により集い相互依存する関係は崩壊して地域コミュニティではない、単なる集合の不幸な状態に進んでいきます。人々はその判断に使われるべき価値意識を見失い、社会集団は秩序ある活動指針を喪失します。これではまちつくりに正義は導きだされませんし、まちつくりは成立しません。心の荒廃した或いは誰かの犠牲の上に立った「まちつくり」はありません。ある限定された地域をピックアップしてこの地域を都市再生の地区としますと宣言したとき、この地域に住む住民は市民同志の相互関係の総てが数量化され相当はっきりしたものになります。この様な背景のもとにある社会的正義こそ、これからの時代にとって必要なものになるかも知れません。


   <目次>

1.適者生存のまちつくり

2.地方分権にすすむ時代のまちつくり

3.現代における公共性

4.公共性の特徴的特性とその行為

5.まちつくりにおける市民の自覚と役割


 
戻る